現場日記:S様邸【完結】11月28日更新
【物件データ】
■所在地 :仙台市太白区
■種別 :マンション
■専有面積:83.58㎡
■建築年:1988年
こんにちは!
設計の菅野です。
今回は平米数もですが、玄関が真ん中↓にある素敵な形状。
水廻りの位置はある程度決まるものの、間取りが比較的自由にレイアウトし易く
売り出し図面を見た時に「何て素敵な物件!」と叫んだ菅野 笑
今回ダイニングテーブルも揃えたいとの事で、打ち合わせも家具屋さんで行ったりと
(先日の営業スタッフ鈴木が打ち合わせ風景もブログで上げてくれました!)
いつもと違う感じで、とても楽しく打ち合わせをさせて頂きました。
私にとって久しぶりのかっこいいテイストになりそうで、完成前から楽しみです。
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【before】
解体前の様子
センターインの玄関。
ドアを開けると玄関まで明るい!
↑LDK
今回の物件の大きな特徴は兎に角窓が大きくて明るい!
隣の和室の壁もなくなると凄くかっこよくなりそう・・・
玄関入って反対側の洋間二間も今回は履き出し窓が!
実はこのマンション、スキップフロア型(エレベーターが3階おきにある仕様)。
エレベーターが無い階は南北どちらもベランダがあるのでこの様な大きな窓があるのです。
エレベーターを手放す事で得られたこの窓の開放感と明るさを最大限生かしたい所です。
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2022/7/11~
Ⅰ.解体着工
いつも通りどんどん壊していきます。
今回は天井を一部スラブ表しにするので、天井のクロスの裏紙まで地道にめくります・・・
(既存も天井を組んでおらず、スラブ直にクロスが貼ってあります)
ここまではいつも通りですが、今回の解体で一番大変なのがスラブの上に流してある増し打ちコンクリート(躯体ではありません)の一部斫り工事。
既存のコンクリートを残したままだと床がかなり上がってしまい、梁下がかなり低くなる事、
玄関土間を広げたいという当初からのご要望もあった為、解体を決行。
凄い勢いで取っていきます。
(解体の音も凄い為、近隣の方にはほんと頭があがりません)
一部を解体しただけで凄い量・・・!
搬出もなかなか大変でした。
解体後↓
解体が終わって直ぐ墨出しに入ってくれた大工さん達も一緒にパシャリ。
明るくて広い!
多少の調整は必要な物の、粗方予定通りに進められそう!
墨出し(間取り出し)も終わり、ここから本工事スタートです。
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2022/8/1~
Ⅱ.本工事スタート(配管~下地工事)
全体の墨を出した後はまず設備配管。
配管は共用の竪管に対して勾配を取る必要がある為、
先に粗配管をし、高さを決めていきます。
今回は南東にキッチン、北東に浴室や洗面・洗濯機が来る
東に水廻りが集中するレイアウト。
トイレだけは大幅に移動できない為、玄関横の位置に設置します。
解体前はキッチンを除く水廻りに全て段差があったのですが、
今回はフラットにすべく床を組みつつ、天井高を低くし過ぎない様
ギリギリの所で調整をしていく事に。
ユニットバスだけは少しだけ段差が出来ましたが、
トイレも排水形状を変える事で段差無しで施工できる事になりほっと一安心。
粗配管が終わると、壁の下地を組み始めます。
今回は軽量鉄骨で。
細かい梁の取り合いなど必ず守りたい寸法や細かい取り合いの所を大工さんと確認しながら進めていきます。
下地を進めていく過程で変更しなければいけない箇所・した方がよい箇所が見えて来るので
都度S様に現地でご確認頂きました。
(何度もご足労いただきありがとうございました!)
今回は小上りや仕上げ材など取り合いや納まりが複雑な為、
パソコン上で細かく計算したものを、現地で寸法通り収まるかを大工さんに確認するという繰り返し。
何とか全てがうまく収まりますように・・・!
下地工事が終わると床を組んでいきます。
先ずは壁際の床が下がらない様にする際根太を回していきます。
(壁にくっついている木の角材です)
際根太を回した後はいよいよ遮音の床組み。
遮音のゴムが付いた脚の上に仕上げ材を乗せるパーティクルボードという2㎝程の厚みのボードを固定していきます。
この上に下地の板を貼って、仕上げ材という流れ。
今回水廻りを大幅に移動する為、水廻りの床下や排水管下に吸音材と遮音シートを施工。
その他の居室に関しても吸音材を入れて音の対策をしました。
遮音の床組みだけでもL40という遮音等級が取れるのですが、
(大抵のマンションはクリアーできます)
場合によっては今回の様に対策を行う事も。
マンションという構造上、スラブから伝わるドンドンという重低音は完全に防ぎ様は無いのですが、
物を落としたりした時に発生する高音域の音などの生活音は、床下対策で軽減出来たりします。
▲吸音材
▲遮音シート
壁・床・天井の下地が出来上がりました↓
今回はリビング・ダイニングの天井は躯体をそのまま生かします。
キッチンの天井はわざと下げて空間にアクセントを。
そして天井コーナーの角をRにするという初の試み。
今回なんと内部に間接照明も入ります。
TOP画像の様に初期のご提案は天井の底は壁と一緒の色に仕上げる予定でしたが、
途中で天井に天然木の板も貼る事に。
Rにして板を貼って間接照明・・・!
とても手間は掛かるけど、綺麗に収まれば絶対かっこいいはず!
仕上がりが楽しみです。
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2022/9/12~
Ⅲ.フローリング貼・壁/天井ボード貼スタート
床の下地ボードを貼ったら次はフローリング貼。
今回の床材はアカシアの無垢材。
その中でもラフ過ぎない綺麗めの物をお選び頂きました。
色が濃く、高級材チークの色にも近く綺麗。
木目がワイルドです。
材料屋さん曰く、都内を中心にここ数年人気が出てきている材料なんだそう。
▲仮並べ中。いい感じ!
部屋の長手方向に貼っていきます。
濃い色のフローリングかっこいい!
フローリングを貼り終わると、ドア枠の取付やクロス下地のボード貼など、
下地をどんどん仕上げていきます。
今回はボードを貼る前に取り付けなければいけない物も沢山あるので、
同時進行で行います。
こちらはキッチンの腰壁取付。
表面を化粧板で仕上げたかったので、家具屋さんに綺麗に作って貰って現場で組み立て。
面材の錆っぽい黒かっこいい!
いい感じになりそうです。
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2022/9/20~
Ⅳ.下地仕上・造作工事
粗方下地のボードを貼り終えた所で現場での造作工事を。
今回キッチンの腰壁上はRの下がり天井。
天井下地↓
天井パネルを貼り終えたら、R部分を落としていきます。
ガリガリガリガリ・・・
一発勝負なので見ている方がドキドキです。
上手くいきますように・・・
天井の加工が終わると次は壁パネル。
この壁パネル、フラットではなくラウンド型。
色味といい、何とも言えない味のある商品で、貼るのを楽しみにしていました。
貼ってみると想像通り素敵!
今回パネルの間に窓があり、かつ裏が作業スペースという何とも絡みが多い場所。
どちら側から見ても綺麗に収まりほっと一安心。
壁のパネルが終わると次は小上りスペース。
下に収納スペースを作ったり、側面にフローリングを貼ったりと、
大工さん最後の大仕事。
今回の造作の内容ハード過ぎない?とか言いながらも(毎度すみません)
せっせと作ってくれる大工さん。
湿気がこもりそうなので、内部に調湿ボードも貼って貰ったり。
小上がりはこんな感じに仕上がりました↓
上には最後に畳を入れるので、畳寄せ風にフロアーの小口を立ち上げ。
何ともいい寛ぎスペースになりそうです!
今回は大工工事の仕上げと同時進行で塗装工事も。
天井の色を壁と一緒の色にするか、そのままの色を残すか迷われていたS様。
結果、そのままの色を残す事になったので、塗装屋さんに防塵塗料を塗って貰いました。
ローラーでさくさく塗っていきます。
その他の塗装もこのタイミングで。
仕上前の下地工事完了。
ここで一旦大工さんの作業は終了。
内装屋さんにバトンタッチです。
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お客様のご厚意で、急遽一日限定でオープンハウスをさせて頂ける事になりました。
☑よく見る天井の躯体(スラブ)表しってどんな感じ?
☑小上がりスペースがあると空間がどんな感じに見える?
☑無垢のフローリングってどんな仕上がり?
☑家具をオーダーで作るとどんな感じに仕上がってくるの?
☑インスタでよく見るあの照明はどんな感じ?
・・・etc.
お住まいづくりの参考になればと思います。
是非お越しください。
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オープンハウスにお越し頂いた皆様ありがとうございました。
ブログ続きます。
2022/10/3~
Ⅴ.内装仕上工事
大工さんの仕上げが終わると次は内装工事。
いつも通り、パテで下地を綺麗に慣らし、クロスを貼っていきます。
クロスが貼り途中。
角部屋のアクセントクロスもいい感じ。
どんどん仕上げていきます。
クロスを貼るとすっきりしていい感じ!
クロス工事の合間にキッチンも施工完了。
玄関のタイルも貼って、内装工事完了です。
内装工事が終わるとどんどん仕上げに入ります。
造り付けの家具や建具が入ったり・・・
照明器具がついたり・・・
最後の間違いが無いか入念にチェックしながら仕上げていきます。
クリーニング後もあれこれ取付作業。
最後の追い込みです。
いよいよ完成です。
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2022/10末
Ⅵ.完成
事例写真がアップされる前に少しだけ・・・
まずはパースに近いカット・照明ON↓
照明OFF写真↓
窓が大きく明るい物件なので、照明無しでもいい感じです。
エントランス。日中も明るい!
間接照明だけで計画したエントランスは、照明を付けても雰囲気があります
廊下に面した洗面コーナーも窓が近く、一戸建ての様な明るさです
洗面コーナーの奥にはランドリースペース
畳コーナーの下は・・・
ちょっとした収納を
壁に見えない様にマグネットを仕込んだり・・・
今回ダイニングテーブルも家具屋さん制作のオーダー品。
経年変化で色が濃くなった時に床の色に合う様、樹種をお選び頂きました。
他の家具も経年変化で色が変わる近似材種で制作。
フローリングや造作材も無垢材や天然木を使用しており、素材感が味わえ、かつ、経年変化が楽しめる住まいに仕上がりました。
是非お住まいを可愛がって育てて頂ければと思います!