現場日記:K様邸【完結】

こんにちは。

設計の菅野です。

今回は何と既に解体済みの物件(私はこういう物件初めて担当しました)。

綺麗な正方形の80平米弱、最上階角部屋。

部屋の真ん中に大梁が横断しているで多少間取りに制約があったものの

比較的自由に計画できる優良物件。

LDKを南側にゆったり取ったレイアウトになりました。

 

【物件データ】

■所在地:仙台市青葉区

■種別:マンション

■専有面積:77.92㎡

■建築年:1985年

 

打ち合わせスタート時から、打ち合わせ当初から真っ白な部屋じゃない方がいいかも?と言っていたお客様。

選んで頂いた仕上げ材は全体的にくすみカラー。

 

▲大分色が飛んでいるので白く見えますが…

今回はかなり色数がありますが、どれも落ち着いた色味で素敵

 

 

▲塗装の色味も綺麗で、仕上がりが楽しみです

 

照明も色々吊り下げたいという事で、要所要所装飾的な照明が。

デコラティブなパーツもポイントで入る事になり、仕上がりが楽しみです!

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------

 

2022/12/22

Ⅰ:墨出し

 

今回は雑解体しか無いので墨出しから。

最初は立ち合いながら寸法の確認・調整をしていきます。

今回解体後のプランとはいえ、計画通りに収まるかは毎回どきどき・・・

 

 

 

 

いつも墨出しが終ると、全体を眺めてボリューム感を確認。

あれ?今回はもっと計画以上にリビングを広げた方がいいかも?

当初予定していた間口は決して狭くない寸法。

けれどもLDが東西に長い分、寸法以上に狭く見える・・・

墨出し後のお客様検査の際実際に見て頂き、寸法変更をかけました。

大工さんごめんなさい!(綺麗に墨を出して貰った後なので・・・)

でも助かりました!

↓これだけずれるだけで、全然違います。

 

 

【BEFORE】

 

【AFTER】

 

僅かな寸法の違いですが(300㎜ちょっと)、侮るべからず300mm!

実際の空間で見ると感じ方が全然違います。

私の方も着工前の図面訂正を急いで行い、何とか本工事をスタートさせました。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------

 

2022/1/7~

Ⅱ:壁・天井下地組

 

今回は先に天井から下地組。

既存の天井はこんな感じ↓

既に天井だけ新規の断熱が吹かれています。

最上階なので天井材を吊る為のアンカーボルトも施工されてました。

 

 

このアンカーボルトを利用して、ボード(天井下地)を貼る為のバーを吊っていきます。

 

 

 

高さが決まれば、下地を組むのはあっという間。

今回は天井のイメージも少しお見せしたくて、先に一部を組みました。

梁は天井を組んでから囲うので、梁間だけ先に仕上げていきます。

 

今回梁はお部屋によって梁囲いをせず、塗装する箇所も。

カチッと綺麗に仕上げる所と、ラフな仕上げの所があるので、

コントラストがはっきり出る様に、下地を組む所はぴしっと綺麗に仕上げて欲しいなあ

なんて思いながら、作業を眺めておりました。

 

天井がある程度組みあがると壁の下地組。

職人さん2人がかりでどんどん仕上げていきます。

 

 

▲もう、次の作業に必要な床組みの材料も入れてあったり

 

 

下地のタイミングと並行して行う作業は、排気ダクトの配管や電気配線、給排水の配管工事。

 

 

▲ダクト奥より、キッチン用・トイレ用・浴室/脱衣室用(2室換気)

 

 

 

 

配管は以前の物が心もとなかったので、根本よりバッサリ切って、新規の配管へ。

配管と一緒に転がっている配線が各部屋の電気配線です。

天井より落とす事が多い電気配線ですが、今回一部梁囲いをしないので、梁を横断出来ない配線は床下へ。

今回は音対策の為、界壁にグラスウール(吸音材)も入れました。

 

 

壁の下地建てが終わったら、次は床組みに入ります。

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

2022/1/22~

Ⅲ:床組

 

壁の下地が終わったら次は床組み。

壁際に床が下がらない様際根太を回し、今回はグラスウール(吸音材)を等間隔に入れていきます。

 

▲リビングは少し多めに

 

際根太の作業が終わったら、遮音のゴムが付いた脚を立てながら床の下地となるボード(パーティクルボード)を施工。

床のレベル(水平)を見ながらの細かい作業です。

 

 

 

一軒分でかなりの数の脚を立てるのですが、早い早い。

さすが職人さん、慣れた手付きでさくさくと進めていきます。

パーティクルボードを貼った後は、床仕上げ材の下地となるコンパネ(ベニヤ)を床の仕上げに応じて1枚又は2枚重ねて貼っていきます。

コンパネの厚みや枚数を変える事で、仕上げ材の厚みが異なってもほぼフラットな仕上がりに仕上げられます。

 

 

下地調整が終わるとフローリング貼。

今回はオーク材のオイル仕上。

肌触りがとてもよいです!

(菅野毎回フローリングの梱包を開けては触っています 笑)

 

 

無垢材は一枚ごとに色や表情が違うので、何枚か出して偏りがない様混ぜ込んで貼っていきます。

まだ貼り始めですが既に素敵に仕上がりそうな予感。

 

 

床を貼ったら建具の枠付⇒ボード仕上げと下地の追い込みです。

つづきます。

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

2022/2/18~

Ⅳ:建具枠付・ボード張り

 

フローリングが貼り終わると、建具の枠付→壁下地→仕上げ材を貼る為のボード張という順番。

まずは枠付。

こちらは引戸の枠。

枠を付けてから扉を引き込む側に再度壁を作ります。

(開き戸に比べて、引戸の枠付は手間がかかります)

枠付→ボードを貼ってから、最後の最後での作業です。

 

 

 

こちらは収納枠。

玄関框との収まりを考えながら納めてもらいました。

こういう場所は、都度現地で大工さんと相談しながら進めていきます。

 

 

 

ボードを貼る際に、天井レールもきちんと収まるか確認

今回は間接照明も絡むので、計算間違いしていないか・きちんと収まるのか、結構ドキドキ・・・

何度も何度も確認します。

 

 

ボード貼りのタイミングで、こういった埋め込みカウンター類も取り付けていきます。

こちらは洗面カウンター

三面鏡も埋め込み(写真は切れてますが…)

綺麗に収まりました。

 

 

数週間かけてやっとボード貼りが終わりました。

 

 

 

今回は最後に↑の壁にパネルを縦貼り。

(施工中の写真が取れず、お見せできませんが・・・)

こちらの壁含め、塗装屋さんに仕上げて貰ってから、クロス屋さんの仕上げに入っていきます。

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------------

2022/3/1~

Ⅴ:内装仕上

 

ここからどんどん内装を仕上げていきます。

まずは塗装工事から。

仕上がりを楽しみにしていたパネリングを塗り始めてる!

お客様が即決したくすみグリーンいい感じです。

 

垂れ壁も仕上がるとかっこいい!

細かい話ですが、垂れ壁とパネルは艶を変えています。

クロスを仕上げた際に変に艶が出て浮かない様にと、塗装屋さんがわざわざ塗料を分けて作ってくれました。

流石です。

今回は梁もボードで囲わず塗装仕上げ。

クロスの色に合わせてほんのり色が入っています。

その他建具の枠やらモルタル調の塗装やら仕上げて貰いました。

家具や建具が収まってかも塗る所があるので、まず第一回が終了という所です。

 

 

▲今回使用した塗料たち。かなり種類があります

 

 

塗装工事が終わると次はクロス工事。

早朝現場に寄ったら、綺麗にパテ処理されてました。

 

 

 

 

仕上のクロス達も現場に入ってました。

 

 

コーナー材。

角を保護しつつ、クロスを綺麗に貼る為の部材を角々に入れていきます。

角にいれるとこんな感じ↓

 

 

クロスは貼り始めると早いのですが、貼る迄の作業が本当に手間です。

塗装もですが、クロス仕上も下地が命なので、いつも頑張ってもらっています。

今回はクロス工事の途中にキッチン施工も。

何故このタイミングかというと、後工程でキッチン廻りの細工をしたいから。

 

今回のキッチンはお客様一目惚れのタカラのキッチンです。

 

 

 

あれ?これで仕上がり?

 

はい、キッチン屋さんの工事はここまでです。

その後家具屋さんに引き継ぎます。

キッチン背面の収納もこのタイミングで施工。

今回は色んな作業の絡みがあり、目まぐるしく入る職人さんも変わります。

 

 

 

キッチン施工の後は造作家具の一部取付。

写真はキッチンの背面収納ですが、同時にキッチン本体の背面にも仕上げをする為の下地を取り付け。

 

 

 

家具の一部取付完了。

作業が飛んですみません。

キッチン背面収納のモルタル調塗装仕上げも少しづつ・・・

キッチン廻りの仕上げはここから2工程・・・

 

作業が行ったり来たりですみません・・・

折角なので最終仕上げ前のモルタル調カウンターと壁を。

まだ模様を付けて磨いてないので凹凸もあって艶もないです。

ここから磨いてフラットにし、汚れ防止のトップコートを塗布します。

今回はこんな所もモルタル風塗装↓

キッチン腰壁のお客様拘りニッチです。

 

 

 

キッチン腰壁の最終仕上げはタイル貼。

うんうん、きれいに収まりそう!

後日タイルをペタペタ・・・↓

 

 

タイルはモルタル風塗装に寄せてグレーのクロスにしました。

このままでもいい感じですが、目地材を入れて仕上ていきます。

仕上がりが楽しみです!

続きます。

-------------------------------------------------------------------------------------------

 

今回お客様のご厚意で、4/23(土)完成見学会を行わせて頂く事になりました。

現場完成見学会

 

↑予定通り開催させて頂きました。

急なアナウンスにも関わらずお越しくださった皆様ありがとうございました。

お住まいづくりの少しでも参考になれば嬉しいです!

 

-------------------------------------------------------------------------------------------

 

2022/4

Ⅵ:完成

 

今回もコロナの影響で物が入った所から仕上げてと、バタバタ作業しましたが

先日無事お引渡しが完了しました。

後日WORKSに写真はアップされますが、少しだけご紹介します。

 

 

 

トップ画像のパースと同じカット。

K様こだわりのキッチンのニッチや照明器具たちがいい感じです!

キッチン本体はメーカー品ですが、腰壁を作ってあげる事でオーダーキッチンみたいな仕上がりになりました。

色むらがあるタイルを貼り、かつ、目地を白色で仕上げた事で、ふんわり柔らかい印象になりました。

(タイルより濃い色の目地を入れると、ラフでかっこいい感じに仕上がるタイルでした)

ほんのり色が入ったクロスを選ばれたり、タイルも「白じゃなくてグレーの方が素敵!←2種類お出ししていました)」と、K様の色のチョイスが絶妙で、いい感じにまとまりました。

背面収納は、オープン棚に食器などを置きたいとのご要望もあり、全て扉無しのオープンに。

棚板は可動式なので、好きな高さに変えられます。

今回は背板をしっかり作る事で、食器を入れる時に壁を傷づける恐れもありません。

実用性を求められた上部の吊戸棚と併せてかなり物が入ります!

 

ちなみに照明を消すとこんな感じ↓

(ここから私の簡易写真になるのをお許しください)

照明を消すと、モルタル調塗装の質感もぐっと出ます。

オーク材(床・吊戸棚)とグレー色のコントラストが綺麗です。

 

 

キッチンに立つとこんな感じ。

お料理しながらでもしっかりテレビが見れます 笑

リビングのアクセント壁は私もかなりお気に入りです。

 

 

玄関廻り。

間接照明や玄関ブラケットでやさしいあかり。

廊下も全て自動センサーで点灯します。

職人さん泣かせのルーバードアもいい感じです。

 

 

↑のガラス戸を開けるとこんな感じ↓

キッチン前や通路をゆったりとったので、開放感があります。

このスペースのお陰でキッチンからもリビングがしっかり見渡せます。

キッチン前にもダイニングが置ける位の広さもあって、色んな家具のレイアウトも楽しめます。

 

 

今回は、LDKをとにかく広く取る!というご要望を元に、どういった形がいいかK様と練りに練って出来上がった住まい。

WICとして取っていたスペースを潔く壁付収納にされたり、居室をコンパクトにしたりと、上手く足し算・引き算をして頂いたお陰で、素敵なすまいに仕上がりました。

お引渡しの日に、ベッドをどうしようかな?カーテン何色?ハンモックなんか置いちゃう?と楽しげにお話しているK様達を見て、私も少しワクワクを分けてもらいました 笑

K様ありがとうございました!

理想の家づくりを実現する無料の相談会を毎回開催しております。

0120-37-4185 営業時間 10:00-18:00 / 水曜定休日
資料請求はこちら

@ N's Create. All Rights Reserved.