現場日記:O様邸【完結】
こんにちわ。
設計の佐々木です。
今回はお施主様のこだわりポイントを存分に詰め込んだ、素敵なリノベーション物件をご紹介します。
お気に入りの、ソファ・照明・ミラーを主役に。
それらが引き立つおうちにしたい、とのご希望を伺い、プランニングさせていただきました。
【物件データ】
■所在地:仙台市泉区
■種別:マンション
■専有面積:74.5㎡
■建築年:1996年(築24年)
【BEFORE】
解体工事前の既存の室内。
築24年ですが、室内はとても綺麗な状態。
元々の間取りは南側バルコニー面に配されたLDK、隣接する二間続きの和室、北側に単独の洋室というごく一般的な形状でした。
2020/06/24~
Ⅰ.解体着工
今回もフルリノベーションなので既存の室内を全て解体し、完全に丸裸の状態にしていきます。
少しづつ躯体の天井や壁、配管が見え始めました。
リノベーションの場合は解体してみて初めてわかること、も無きにしも非ず…
お客様には事前に注意事項としてお伝えするようにはしておりますが、
今回のリノベーションは ’躯体を魅せる’ デザインのため、少しドキドキしながら解体工事に立会いました。
無事に完了。
解体した残材を全て搬出し終え、スケルトンの状態です。
躯体コンクリートの天井・梁ともにとても綺麗です! 嬉しい!!笑
2020/07/03
Ⅱ.断熱工事
今回は既存の状態で既に、外周に面した部分には断熱が施されていましたが、更に断熱性能をあげるために内側から重ねて硬質発泡ウレタンを吹き付けていきます。
サッシや玄関扉のまわりに少し見えているグリーンが既存の断熱。
ピンクに仕上がっているのが今回増し吹きした断熱部分です。
ちなみに、、、ですが、今回の現場は中層階のため、断熱工事はこのようにトラックに積んで運んで来た断熱材をホースを使ってつなぎ、住戸内まで引っ張り上げて施工します。
ウレタンの吹付は現場での発泡のため、隙間なく断熱層を形成することができ、より高い断熱性能を期待することができます。
2020/07/04~
Ⅲ.配管、下地工事(間仕切壁)
現場では大工さんによって、墨だし(実寸の壁位置を床に記す作業)が行われ、それに沿って壁の下地を建てていく作業が始まりました。
ここからは大工さんはじめ、設備やさん・電気やさんと多種な職人さんたちが施工に携わります。
キッチンや洗面、トイレなど給排水が必要な箇所に設備やさんが配管工事をしてくれています。
仕上がってからは見えなくなってしまう配管部分ですが、リノベーション工事の要かもしれません。
この先、長く快適に安心して住むために、給排水も大切なポイントの一つ。
共用の竪管の接続部分から先の宅内の配管を全て一新できるのもリノベーションならでは、ですね!
あっという間に、間仕切壁の下地が組み上がっていきます。
現場はいつも整頓されていて本当にきれいです!
これが丁寧な仕事を生み出すんだなぁ、といつも感心してしまいます。
現場の片隅には大工さんの簡易デスクスペースも。笑
毎日、熱い中、汗だくでお仕事していただいています!ありがとうございます!
2020/07/14~
Ⅳ.下地工事(床組み)、電気配線
今回の現場の床は直貼り(躯体コンクリートの床に直接フローリングを貼る施工方法)と床組みが半々。
配管を通す必要がある水廻りに関しては、床組みをして床を1段上げる構成にしています。
また、LDKの中にもあえて段差をつくり、意匠的にみせるプラン。
ここも今回のプランの中で大事なこだわりポイントの一つなので、
大工さんたちが入念な打合せを繰り返しながら、段差部分の取り合いを確認してくれています。
電気やさんの配線工事も始まりました。
こちらも仕上がってからは見えなくなる部分ですが、図面上で配置されている照明やコンセントなどの必要な位置を確認しながら、配線を落とし込んでいきます。
ユニットバスの設置も完了しました。
LDK内はダイニングキッチン部分のみ床組みして段差をつくり、ステージの下地が仕上がりました。
少しずつ完成形に近づいています。
こちらの壁面には3段のニッチ棚が出来上がる予定。
実寸を出し、お施主様にサイズ感を最終確認して頂きました。
お施主様にもこまめに現場に足を運んでいただき、大工さんたちとも直接お話しをしながら現場を進めさせて頂いているので、設計者としてとても有難いです。
また、このタイミングで中間検査としてお施主様立会いのもと、大工さんも同席頂き、立会確認を行いました。
スイッチやコンセントの位置、壁の下地の位置に間違いはないか、など細かく確認して参ります。
2020/08/3~
Ⅴ.ボード貼り
下地の骨組みが完了し、そこに石膏ボードを貼っていく作業がスタート。
ここまで来ると各部屋の間仕切が出来上がるので、完成形にぐっと近づきます。
リビングの造作扉の黒枠も設置完了、良い感じ。
扉の取付けが楽しみです!!
3段ニッチの下地も完了!
こちらも完成が楽しみ!
ここまでで、大工工事がほぼ完了。
2020/08/27~
Ⅵ.内装仕上げ工事(塗装、クロス、タイル)
ここからは仕上げ工事に入ります。
今回は一部の壁面を塗装で仕上げるため、先に塗装工事から行います。
下地のパテ処理(ボードのジョイント部分やビス穴部分を平滑にする作業)をしています。
こちらも最終形を綺麗に仕上げるためには重要な工程。
LDKの一面をアクセントで黒塗装で仕上げました。
一気に雰囲気が出てきました。
造作で取付けた棚類も塗装で仕上げてもらいました。
今回はフローリング材のウォルナットに合わせて濃い目の茶系に。
次はクロス工事です。
こちらも下地のパテ処理からスタート。
こちらもこだわりの!
トイレのアクセントクロス。
柄物ですが、目地がわからないくらいに綺麗に仕上げていただきました。
クロス工事が終わると、いよいよ現場も終盤です。
次は今回の現場のメインイベント!?
私も参加して、お施主様と一緒にリビング一面のアクセント面の施工をお手伝いしました。
リビングのアクセント面をウォルナット材の木製タイルで仕上げます。
木製タイルは1枚が25mm×400mmの材料です。
はじめに大工さんに貼り方をレクチャーいただきました。
接着剤を使って、1枚1枚壁に貼り付けていく作業。
木製タイルの厚みが3種類あるので、バランスをみながら、ランダムに貼っていきます。
なかなか地道な作業です。笑
大工さんに鉋(かんな)のかけ方を教わり、細かく厚みを調整しながら貼りました。
実はこちらの3段ニッチも正面を木製タイル貼で仕上ました!
アクセント壁面との統一感も出て良い感じ。
大工さんたちとお施主様と私とで、もくもくと作業させて頂き…
3時間半ほどで完了しました。
圧巻!!美しい!
とっても素敵に仕上がりました!
皆さま、お疲れ様です!笑
引き続き、急ピッチで仕上げ工事が続いていきます。
キッチンの組立てが行われました。
今回はペニンシュラ型のオープンキッチンを採用しています。
収納も両面にあり、主婦目線でも嬉しい仕様。
キッチン背面の柱型はタイル仕上げ。
こちらも1枚1枚丁寧に施工頂いております。
何とも言えないこの色が木製タイルの雰囲気とも合い、いいアクセント!かっこいいです!!
2020/09/23~
Ⅶ.完了
最終で照明器具やご支給いただいたミラー・小物関係の取付作業を行いました。
LDKのステージ(段差)部分には間接照明が入ります。
間接照明をプランするとき、光の出方にはいつもこだわって計画していますが、今回はよりいっそうこだわりました!
足元の段差部分の限られた寸法の中での取付けのため、1cm角ほどの小さな間接照明を設置しています。
プラン時に想定していた間接光がうまく出るか…内心ドキドキでしたが、
綺麗に設置することが出来、現場で思わず電気やさんと拍手!!笑
最後に全ての作業工程が終了したところで完了検査。
大工さんたちも駆けつけていただき、和やかに全工程を終えることが出来ました。
お施主様にご支給いただいたお気に入りのペンダント照明とミラーも全体のバランスを見て、最後に取付けさせていただきました。
躯体表しの天井と木製タイルとの雰囲気がとてもよく、ペンダント照明が映える空間に仕上がりました。
今回のリノベーションのコンセプトは「アクセントで魅せる」
お施主様のお気に入りの家具と小物が主役になり、それらが引き立つような空間づくり、
また素材感や間接照明を使ったアクセントポイントを空間の随所にちりばめて全体を構成しました。
お打合せから現場まで、とても充実したリノベーションになりました。
現場の施工に携わっていただいた、大工さんをはじめとする、全ての業者のみなさま、ありがとうございました。
O様、おうちづくりをご一緒させて頂き、わたし自身も楽しみながら、良い経験をさせていただきました。
これからもアフターメンテなどでお会い出来ますことを楽しみにしております。
ありがとうございました!