今更聞けない?マンションの間取り図の見方
こんにちは!リノベ不動産仙台の鈴木です。
住まいについて考える際、必ずと言っていいほど目にする間取り図。ぱっと見て部屋の配置や設備などの把握はできても、詳細な見方についてはわからないことも多いのではないでしょうか?
今回はそんな間取りの見方について、マンションに的をしぼってリノベーションの観点からも解説していきます!
1 RC?ラーメンって何?マンション構造の違い
一見すると同じようなマンションの間取りですが、実は「構造」と「材料」という括りで見るとそれぞれに違いがあることがわかります。
1-1 構造そのものの違い
簡単に説明すると、何で建物を支えているかによって、さらに大きく2つに分類されます。
■壁式構造
文字通り壁で建物を支える構造です。梁や柱がなくスッキリとするため家具の配置もしやすく、また防音性が高いことも特徴です。一方建物を面で支えるがために窓を大きく取ることができず、また専有部分内部の壁も取り払えないことがあるという特徴もあります。
間取りも刷新するリノベーションを考えた時に、壁を取り払えないというのは大きな障害となります。しかし理想のプランと並べてみて、取ることのできない壁がプランに影響しないようであれば、梁などの凸凹のないスッキリとした防音性の高い住まいの実現も可能です。「この壁が抜けないこの物件だったらどうプランするかな?」と妄想を膨らませながら間取りを見れば、逆転の発想で物件選びも楽しくなるはず!
■ラーメン構造
梁と柱で建物を支える構造です。「ラーメン」とはドイツ語で「枠」を意味します。梁や柱によって建物を支えるためどうしてもその凹凸が内部にあらわれ、高さや広さに圧迫感が出てしまうこともありますが、間仕切を必要としないため部屋を大きくとることができるのが特徴です。リノベーションにはもってこいの構造と言えるでしょう。
ただし、中にはラーメン構造だとしても室内の壁が抜けないことも… 。
お風呂を囲っていた壁に当てはまることが多いようです。また2つの構造のいいとこ取りをした「壁式ラーメン構造」なるタイプも存在します。図面を見比べたりリノベ会社さんに話を聞いたりしながら、間取りを見る目を鍛えていくのも楽しいかもしれませんね。
1-2 材料の違い
さらに梁や柱が何でできているか、材料の括りで見たときには以下の様に分けられます。
物件情報の構造欄に記載があると思いますので、手元に資料があれば確認してみてください。ここではマンションに採用される主な2つのつくりについて見ていきます。
■RC造:鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)の略
梁や柱といった建物を構成する骨組みに、鉄筋とコンクリートでできた素材を用いたもの。工事現場で表面に凹凸のついた直径2cm前後の鉄の棒を見かけたことはありませんか?その鉄の棒で梁や柱を形を組み、コンクリートを流し込んで梁や柱をつくっていきます。ある程度の長さを必要とした場合はたわんでしましますが引っ張る力に強い鉄筋と、逆に曲げには弱いが圧縮に強いコンクリートのいいとこ取りをした構造で揺れにも強い特徴があります。またコンクリートは不燃材料であるため耐火性にも優れ、重量があるため遮音性も高いというメリットがあります。
■SRC造:鉄骨鉄筋コンクリート造(Steel Reinforced Concrete Construction)の略
RC造へさらに鉄骨を組み合わせたもの。イメージとしてはRC造の梁・柱の中心部に、十時やH型の鉄骨が組み込まれた形です。鉄骨を組み合わせる分建築コストが高くなり、またRC造にくらべ設計上の制限が多くなる傾向にありますが、耐火性はRC造よりも優れるという利点があります。
このような違いはあるものの、技術の発展により両者の基本的な性能に大きな差はないようです。それよりも、遮音性について考えた場合は実際に足を運んで音の聞こえ方を確かめるのが良いかもしれません。外の音はどれくらい聞こえるか?隣の部屋に面する壁を叩いてみてどれくらいの厚みがありそうか?多少音が気になるとしても、リノベーション工事で二重サッシを採用したり壁を厚くしたりすれば解決することもありますので、リノベーション会社へ気になる事に対してどんな対策を打てそうかを相談してみましょう!
2 図面上の記号や線が示すもの
間取り図を構成する記号は様々ありますが、それほど覚えることは多くありません。代表的なものだけでも覚えておけば、物件情報の読み込み速度はぐっとあがります。
■梁
主に柱と梁で構成されるラーメン構造の建物には必ず現れるものです。天井が下がっている部分に沿って点線により表記されます。しかし表記が省略されることもあるため、ラーメン構造のマンションの間取り図で点線が見当たらない場合は現地で直接確認してみましょう。
■扉
○片開き戸:
おそらく多くの方が「ドア」と聞いて頭に思い浮かべる開き方の扉です(以前ご紹介したガラス入り開き戸も、図面上では同様に表記されます)。左右どちらかを軸にし、主にドアノブや取手を押し引きして開閉します。
○片引き戸:
1枚の戸を左右にスライドさせて開閉するもの。開けた時の戸の納まり方によっても呼び方が変わってきます。
○折れ戸:
開閉時に戸が折れ曲がるもの。一般的にクローゼットなどに使用されることが多く、
■窓
○引き違い窓:
2枚以上の窓をレールにはめ込み、左右に移動させることで開閉する窓のこと。 窓ガラスの下端部分が床に面しているか腰くらいの高さにあるかによって、掃き出し窓や腰窓などとさらに細かく分けられます。
○縦すべり出し窓:
縦軸を中心に窓の左右どちらかから外側に向かって開いていく窓のこと。
反対に横軸を中心に窓の下端側から外側に向かって開いていく窓を横すべり出し窓と呼びます。
マンションの外壁面にあり、片開き戸と同じように表記されます。
https://youtu.be/trsR4HtvPQ0
こちらは網戸の外し方の動画ですが、冒頭の縦すべしだし窓の操作を参考にご覧いただくとわかりやすいです。
○装飾窓(FIX):
一般的な開け閉めができる窓に対して、窓の開閉ができないもののことを言います。 FIXとは英語で「固定する」の意味です。 壁にはめこまれて固定される窓であることから、はめ殺し窓とも呼ばれます。
3 文字表記の見方
ご紹介したような記号や線で形づくられた空間に割り振られるアルファベットは、部屋や設備を英語で表現した時の頭文字です。どんなものがあるのか、一覧で見てみましょう。
■UB:Unit Bath ユニットバス
お風呂。ビジネスホテルの様にトイレと浴槽•洗い場が一体となったタイプだけでなく、一般的な浴槽と洗い場のあるタイプもユニットバスと呼ぶことが多いです。
■MBR:Master Bed Room マスターベッドルーム
主寝室。洋室の中で最も広い部屋のことです。
■BR:Bed Room(ベッドルーム)
寝室。主寝室以外の洋室のことです。
■SR:Service Room(サービスルーム)
いわゆる納戸のようなもの。一定の採光や換気量の基準を満たしておらず、居室として認められない部屋のことです。
■CL:Closet(クローゼット)
一般的な、折れ戸のついた収納スペース。主に寝室などの居室に備え付けられていることが多いです。
■SIC:Shoes in Closet(シューズインクローゼット)
玄関の隣に併設される、主に靴を収納しておくためのスペースです。
■WIC:Walk in Closet(ウォークインクローゼット)
主に衣類を収納するための、歩いて入れる広さのあるスペースです。
■RF:Roof Floor(ロフト)
屋根裏部屋。中二階のスペースのことです。
■DEN:書斎、趣味部屋
英語では巣や隠れ家の意味。こもることのできるようなちょっとしたスペースといったところでしょうか。形や広さに明確な定義はなく、SRと同じような意味合いで表記されることもあるようです。
■PS:Pipe Space/Pipe Shaft(パイプスペース/パイプシャフト)
上下水道の配管を集約させたスペースです。
■MB:Meter Box(メーターボックス)
電気、ガス、水道のメーターを集約させたスペースです。
■CF:Cushion Floor(クッションフロア)
その名の通りクッション性のある床材。塩化ビニールでできているため水に強く、水まわりで使用されることが多いです。
■AC:Air Conditioner(エアコン)
設備まで詳細に記載のある図面の場合は目にすることもあるかもしれません。マンションはエアコンをつけられない部屋があることも少なくないため、見学の際はコンセントや「ダクト」と呼ばれる穴が壁にあるかどうかをチェックしてみましょう。
■EV:Elevator(エレベーター)
エレベーターに隣接した物件の間取り図に表記される場合があります。
これだけあると身構えてしましそうですが、実際は図面上に表記されるため記号などから予測もしやすくわかりやすいと思います。 またリノベーションすることを前提に間取り図を見るときは、上記の中のパイプスペースに注意が必要です。実はこのパイプスペース、部屋の中にあるにも関わらず「共有部分」扱いのため位置を変えることができないのです。キッチン、お風呂、トイレなどに関わりますので、これら水まわりの位置変更には大きな制限がかかってくることを頭に入れておく必要があります。
4 部屋の広さについて
部屋の数を表す「LDK」、耳にしたことのある方は多いと思います。ここでは改めてその意味の確認と、部屋の広さについて触れていきます。
■LDK
LDKは「Living(リビング/居間)」「Dining(ダイニング/食堂)」「 Kitchen(キッチン/台所)」の頭文字をとったもので、それぞれが1つにまとまった空間のことを指します。LDKの前に数字がつき「2LDK」のように表記されるのが一般的です。
■DKとの違い
LDKと似たものにDKがあります。
しかし一見すると違いがよくわからない…なんてことも。そんな間取りの見分けのコツはその広さにありました。
【キッチンを含む部屋の他に居室が1部屋ある場合】
→キッチンを含む部屋が4.5畳以上8畳未満であれば1DK
キッチンを含む部屋が8畳以上であれば1LDK
【キッチンを含む部屋の他に居室が2部屋以上ある場合】
→キッチンを含む部屋が6畳以上10畳未満であれば◯DK
キッチンを含む部屋が10畳以上であれば◯LDK
(◯の数字は居室の数による)
こうして見てみると、半畳の差でLDKにもDKにもなりうることがわかります。「LDKの方が広い」という認識をしてしまいがちですが、リノベを検討している物件がラーメン構造であればLDK/DKや部屋数はそこまで気にする必要はないようです。
広さの単位
単位に注目してみると、物件全体の広さは「㎡」、1部屋1部屋の広さは「畳(帖)」で表されていることが多くあります。物件を見るだけであればさほど支障はないのですが、例えばリフォームやリノベーションで床材を変える場合には平米単価で金額を提示されることがあるため、いくらかかるのかを計算するには不便なこともあります。
一般的には1畳=1.65㎡で計算されることが多いため、どちらの表記であっても換算できるように覚えていて損なしです!
また数字だけで判断するのではなく、実際に物件へ出向き「◯畳だとこれくらいの広さか」と体感することも重要ですので、気になる物件があればいくつかまわって見ることをおすすめします。
4 部屋の広さについて
いかがでしたでしょうか?以上の知識があるかないかで、物件を見るときや問い合わせをするときの理解度やスピードは変わってくるはずです。
しかし現状と図面が異なることもあり、図面だけではわからないことも多いというのも現実です。もしリノベーション工事を検討されているなら、現地調査は必ず行うようにしましょう。