住宅購入はいつが正解?ライフイベント別ケーススタディ

 

 

お住まいを購入する年齢はいつが正解なのでしょうか。

 

結婚したとき?子供が生まれたとき?

 

こんな疑問を持つ方も、自分はまだまだ先のことと考えている方も知っておきたい、住宅を購入するタイミングについて考えていきたいと思います。

 

マイホームを意識し始める30代は、結婚や出産、はたまた突然の転勤など、多くの方が人生のターニングポイントを迎える時期でもあるため、マイホームの購入時期は多くの方が頭を悩ます問題と言えるのではないでしょうか?

 

「いつかはマイホームを持ちたい」と思っていたら、もう40代。

住宅ローンのことを考えると、この年齢から家を購入するのは厳しいかもな……。

子どもの養育費はもちろん、自分たちの年金問題や親の介護問題とか、これから必要になるお金のことを考えると頭が痛く、マイホームなんて夢のまた夢。。。

マイホームを購入するためには、かかる費用としっかり向き合わなくてはいけませんし、タイミングを決めるのは難しい問題です。

 

これまでに私がお住まいづくりをお手伝いさせていたお客さまを振り返ると、お住まいを購入する動機は、結婚・出産・子どもの入学などのライフイベントがきっかけになることが多かったように思います。そこで今回は、お住まいの購入を検討する時期(ライフステージ)について、考察してみることにしました。

 

この記事がみなさんの住宅購入の時期検討の参考の一助となれば幸いです。

 

 

 

いつかは自分の家がほしい。でもその「いつか」っていつなの?

まず、住宅の購入を検討しはじめる一般的なきっかけについておさらいしていきましょう。

 

過去のお客さまを振り返ると、住宅購入のきっかけで多いと感じるのは、「家賃がもったいないと思い始めた」というものです。
結婚や出産などライフイベントに伴って、家庭の出費を見直した際に「家賃をもったいない」と感じた方が多くいる中で、より具体的に「住居の契約更新」や「会社の手当見直し」、「知り合いのマイホームを見て」などの理由で改めて年間払っている家賃の合計を計算して「こんなに払っていたのか!」「しかも自分たちの資産(自分の持ち物)ではない」と愕然とし、漠然と将来に不安を抱かれるケースも意外と多いものなのです。

 

また、それと同じくらい多いのが「子どもの入園や入学、進級に合わせて」「子どもの成長を機に、住まいが手狭に感じるようになった」というものです。
当然ながら家族構成によって必要とされる平米数も変わります。こちらも具体的な理由によって住宅の購入を検討していることがわかります。

 

つまり、これらのことから、住宅購入のはじまりは、夢より「具体性」であるということがわかると思います。現実的な話、「夢の実現」というよりも、切実かつより具体的な家族の課題がきっかけとなり、住宅購入を検討している人が多くいらっしゃいます。
「いつ」「何を」家族の課題と捉えるかは人それぞれであり、家族構成や環境の違いなどにより、人によってマイホーム購入のきっかけは異なるのかもしれません。

 

 

その事を念頭におきながら、次からお話する「シーン別に住宅購入のメリットやデメリット」についてご確認いただければと思います。

 

 

 

 

ライフイベント別住宅購入のケーススタディ

シーン01:単身で住宅を購入する場合(結婚前)
独身であっても、若いタイミングにマンションを購入して、現役バリバリの間にローンを払い終えてしまえば老後に家賃の心配をする必要がなくなります。今後、受け取れる年金の額を考えると、家賃分の負担を減らせることは非常に大きなメリットだと言えます。

 

<メリット>
・比較的若いタイミングでローンを完済することができる。
・住宅ローンを長期で組む事ができるため、月々の返済額を抑えられる。
・将来的に、不動産を資産として運用することも選択肢に。

 

<デメリット>
・年収が低い場合には、住宅ローンの借入額が少なくなってしまう可能性がある。
・気軽に転居することができず、その後身動きが取りづらく、足かせになる場合もある。
・その後、結婚・出産などによってお住まいが手狭になる確率が高い。

 

 

 

シーン02:夫婦ふたりの新しい住まいを探す場合(結婚間近・結婚後)
一般的にライフステージが大きく変わるのが、結婚のタイミングと言えるでしょう。
結婚式にかかる費用や保険の見直しなどお金の悩みが増える一方で、将来自分の家族像が一気に現実に近づくタイミングでもあるため、住宅を購入する絶好のタイミングかも知れません。

 

<メリット>
・比較的若いタイミングでローンを完済することができる。
・住宅ローンを長期で組む事ができるため、月々の返済額を抑えられる。
・共働きならふたりの収入を合算して借入可能額が大幅に増え、選択の幅が広がる。

 

<デメリット>
・将来家族が増えることを想定すると、広さ選びに迷う。
・場合によっては、お住まいが手狭になる場合がある。
・生活環境の変化などに対応が難しい。

 

 

 

シーン03:子どもの誕生にあわせて住まいを探す場合(妊娠中)
家族が増えるとなれば、現在のお住まいが手狭になり、もっと広くしないといけないと検討を始めるケースです。子どもの誕生によって、いつまで共働きできるか?という問題に直面します。子どもが生まれる前に想像力を持ってあらかじめ判断することが難しいですが、ふたりで合算して住宅ローンを組み場合には注意が必要です。

 

<メリット>
・子育て視点で、お住まいを選べる(つくれる)。
・出産前までに引っ越しを済ませておけば奥さんの負担が少ない。

 

<デメリット>
・子どもの教育費の計画などによって住宅予算の確保が難しい場合がある。
・将来さらに家族を増やしたい場合は広さ選びが難しいことも。

 

 

 

シーン04:子どもが成長し、小学校入学前の場合
子どもの成長に合わせて、子どもの部屋を確保したい。または、子どもを通わせたい学校の近くに引っ越したいなど、お住まいに求める条件がガラッと変わるタイミングかも知れません。子どもの人数や年の差によっても検討事項が大きく変わってくるでしょう。

 

<メリット>
・小学校入学前に購入すれば、子どもを転校させなくて済む。
・徐々に子育ての方針が明確になり、それらを基準に学区や物件を選べる。
・入学から新しい人間関係がスタートするので、子どもとママも友達を作りやすい。

 

<デメリット>
・学区にこだわりすぎると希望の物件に出会えないことがある。

 

 

 

シーン05:人生設計もある程度定まり、夫婦揃って40代の場合
このタイミングは、実は難しい時期かもしれません。子どもの独立によって、お家で暮らす家族が減る可能性がある一方で、場合によってはご両親との同居や介護についても視野に入れる必要があり、一緒に同居する家族の人数が大きく変動する時期でもあるためです。

 

<メリット>
・若い頃から収入が増えていれば、その分資金も多く用意できて物件選びの幅が広がる。
・ライフスタイルや将来設計が定まっている場合は、落ち着いて物件選びできる。

 

<デメリット>
・長期住宅ローンが組めず、月々のローン負担が大きくなる可能性がある。
・子どもの独立や両親との同居や介護などライフスタイルの変化に注意が必要。

 

 

簡単にシーン別のメリットとデメリットをまとめてみました。もちろん、これに当てはまらない方もいると思います。最近では30代、40代の方でも単身で住宅購入に前向きな方も多くなった印象があります。

 

それでも一つ覚えておいてほしいのが、住宅ローンを組む場合には、住宅購入が早ければ早いほど、月々のお支払い額を抑えることができます。さらには将来的にも資産運用に物件を活用することができるなど金銭的なメリットが大きいと言えるでしょう。
その一方で、その後に控える結婚や出産、子どもの進学など、将来が不透明であるがゆえに、場合によっては将来的にお住まいが手狭になるなど、ライフスタイルの変化に耐えられないマイホームになってしまう可能性があります。

 

それとは逆に歳を重ね、ライフイベントの経験をすることで、上で述べたメリットとデメリットが入れ替わる形となります。
住宅ローンが長期間で組むことができず、月々の支払額が高くなってしまいます。しかし、ある程度ライフスタイルや将来設計が定まっていることで、より自分たちにとって最適な住宅を追求できるという点がメリットになります。

 

この2つの点はトレードオフの関係にあると言えます。

 

 

 

家を買うのは一生に一度とは限らない??

家は一生に一度の大きな買い物と言われるけれど……。


一生のうちに一度という人が多い一方で、ライフスタイルに合わせてマイホームを何度も買い換える(住み継ぐ)という人も増えているのも事実。
これは、購入した物件を売却することで、購入資金を得て次の住宅を購入しているのです。
持っていたマンションが購入時より高く売れたから、新しい家の資金繰りに充てたという話、聞いたことありませんか。これも購入していたからこそ叶うことなのです。

 

また、余談ですが、売却はせずに、誰かに貸し出して家賃収入を得るという方法もあります。実際に築年数のある物件をリノベーションして貸す例も増えています。
家賃収入のある暮らしは理想ではありますが、高く貸せるは、いろいろな要素が絡んでくるので必ずしも可能なわけではありませんので、注意が必要です。
※住宅ローンの物件を賃貸することは原則NGです。

 

住宅を購入することに、資産運用という考えを加えるとこれらの選択肢も出てくると思います。家族構成や財政状況の変化に応じて数年単位で住み替えるというスタイルが今後一般化していくかもしれませんよ。

 

そういう気持ちで検討してみると、住宅購入のタイミングも決めやすいかもしれませんね。

 

 

 

 

住宅購入と超現実的な住宅ローン問題

最後に年齢と住宅ローンについてのお話をさせていただきます。

 

国土交通省の「H30年度住宅市場動向調査(PDF)」(https://www.mlit.go.jp/common/001287761.pdf)によれば、住宅を購入する年齢の平均は40歳前後です。
その多い理由は、住宅ローンの負担が大きく影響していると考えられます。返済計画を立てようと思うと、誰しもが健康で働いているうちに返済を終えたい、そのために早く購入しようと考えるのも自然の流れなのではないでしょうか。

 

そして、健康と住宅ローンにおいて、注意すべき事項が一点ございます。
それは住宅ローンの審査基準は、一般的に年収・勤続年数など返済能力をチェックする項目があることは知られていますが、そのほかに健康状態が良好である事も求められます。これは団信と呼ばれる「団体信用生命保険」に加入できる「健康状態なのかどうか」の見極めがあり、加入できなければ住宅ローンを組めない可能性が高いのです。
(※なお、フラット35という方法では、加入は任意になるので審査されないケースもあります。)

 

団体信用生命保険とは、住宅ローン専用の生命保険商品で、債務者が死亡したり、高度障害に陥ったりした場合に、ローンの支払いが滞らないようにするシステムです。

 

金融機関によって3大疾病や7大疾病などの特約が付随したタイプもありますが、基本的に加齢に伴い健康状態が悪くなるリスクは高まりますので、この視点から見た場合には、できるだけ早めに、健康な状態のうちに住宅を購入すべきという事になります。

 

最近ではコロナ団信という商品も出始めてきているようです。

 

 

 

まとめ

結婚、出産、その後少し落ち着いてから家の購入を考えるという例は少なくありませんが、個人的には「結婚のタイミング」で家の購入を検討し、子どもができる前に購入するほうが何かと負担が少なくて済むかもしれません。

 

さらに家を購入するなら少しでも早いタイミングがいいと思います。
正直、あなたが健康なときが買い時です。先に述べたように「団体信用保険(生命保険)の加入」が住宅ローンを組む条件のひとつだからです。実際、この加入条件があるため、収入面ではまったく問題ないのに、現在や少し前に健康面の問題があり、住宅ローンを借りられない人もなかにはいます。

 

金利がどうなる、消費税がどうなる、ライフイベントがどうなる…など、いろいろ不確定要素はあります。しかし、数年後に健康かどうかなんて、それこそ誰にもわかりません。そのうえ年齢を重ねるほど健康リスクも高まってきます。
買える経済状況にあって、買いたい物件があって「よし買おう!」と踏み出したとしても、健康面に理由があって買えない…これが最も避けたいことではないでしょうか。

 

住宅を購入する目的が「投資」ではなく「マイホーム」で、あなたが「家を買っても大丈夫な経済状況」にあるなら、健康なうちが買い時と言えます。

 

 

その時に気をつけたいのは、その後のライフイベントでも耐えうる、将来的な間取りも事前に検討しておくということです。
弊社の事例でも、リノベーションをする際に、将来を見越して可変性のある家の設計を採用する例が増えています。
将来子ども部屋にするなら間仕切りを入れて部屋を分けるとか、子どもが独立した後は、夫婦それぞれのための専用部屋にするなど、用途を限定しない間取りにしておくことで、その後の暮らしに都度フィットさせることができます。

 

 

長々と住宅購入のタイミングについて、まとめてみました。
最終的には、人それぞれの判断にはなるのですが、少しでも参考になってくれれば嬉しいです。

 

 

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