公式資料で見極める、後悔しないエリア選定

この記事を書いた人
鈴木璃香(リノベーションコーディネーター)



地震だけでなく大雨や台風など、自然災害による被害については、お住まい購入を考える方にとって気になるところだと思います。
最近の自然災害のニュースに触れるたびに、「安心して暮らせる場所を選びたい」とお住まい探しを考えるのは当然です。

多くの方にとっては人生において大きな買い物になるため、自分自身の目で客観的なデータを確かめ、納得してエリアを選びたいはず。今回は、仙台市内で住まいの購入を検討している方が納得してエリア選定できるよう、仙台市公式の資料・ハザードマップをご紹介します。

 

 

目次

1. ピンポイント検索なら「せんだいくらしのマップ」

2. 揺れと地盤の強さを知る「仙台市地震ハザードマップ」

3. 広域のリスクを俯瞰する「仙台防災ハザードマップ」

4. 丘陵地エリアをお考えなら「仙台市宅地造成履歴等情報マップ」

5. 東部エリア・沿岸部を検討するなら「津波避難マップ」

最後に:自分の足で歩くことも大切

 

 

 

1. ピンポイント検索なら「せんだいくらしのマップ」

 

まず最初に知ってほしいのが、ウェブ上で住所を入力することで、周辺に潜む様々なリスクを重ね合わせて確認できる電子地図サービスです。

 

【どんな資料か】
地震、津波、洪水、土砂災害などのリスクを、地図のレイヤーを切り替えながら視覚的に確認できます。「防災・ハザード」のメニューから、気になる項目にチェックを入れるだけで使える手軽さが魅力です

 

【チェックポイント】
川から離れた場所であっても要チェックなのが「内水(ないすい)浸水想定区域図」です。【洪水】が河川から水が溢れ出すのに対し、【内水浸水】は大雨時に下水道の処理能力を超えて街に水が溢れる現象を指します。

マンションの心臓部である「電気室」や「機械室」が地下や1階にある場合、内水浸水によって全館停電やエレベーター停止を引き起こす可能性があります。検討中の物件周辺に色がついていないか確認してみると安心です。

 

【出典・URL】
せんだいくらしのマップをお使いになる前に(仙台市)
(※上記ページ内のリンクから、実際のデジタルマップへアクセスできます)

 

 

 

2. 揺れと地盤の強さを知る「仙台市地震ハザードマップ」

 

宮城県の最新の被害想定(令和5年公表)に基づき作成された地震マップです。

 

【どんな資料か】
仙台市内を250m四方のマスに区切り、今後想定される4つの地震(長町-利府線断層帯地震など)が起きた際の「揺れの強さ」と「地盤の液状化の危険度」を予測しています。

 

【チェックポイント】
現代の新耐震基準のマンションであれば、液状化エリアであっても強固な杭などで建物自体の倒壊リスクは極めて低いとされています。
一方で周辺の地盤が「液状化危険度」の高いエリアの場合、敷地内のエントランス前のタイルが波打ったり、周辺道路の陥没で水道やガスの復旧が大幅に遅れたりする二次被害が懸念されます。特に平野部、過去に水田や河川だった場所を検討している方は、事前に確認しておくと安心いただけると思います。

 

【出典・URL】
仙台市地震ハザードマップ(仙台市)

 

 

 

3. 広域のリスクを俯瞰する「仙台防災ハザードマップ」

 

各区役所などで配布されている紙の防災マップを、区ごとにPDF化してまとめたものです。

 

【どんな資料か】
青葉区・宮城野区・若林区・太白区・泉区の5つの区ごとに分かれており、水害や土砂災害のリスクマップのほか、避難行動の心得が網羅されています。

 

【チェックポイント】
「購入を検討しているエリア全体の水害リスクや避難経路」を俯瞰して見るのに適しています。また、2026年3月に宮城県より「津波災害警戒区域」が新たに指定されたことを受け、沿岸部に近いエリアでのマンション検討の際には、この最新情報をあわせて把握しておくことで、より納得感のあるエリア選定ができるようになります。

 

【出典・URL】
仙台防災ハザードマップ(仙台市)

 

 

 

4. 丘陵地エリアをお考えなら「仙台市宅地造成履歴等情報マップ」

 

青葉区、泉区、太白区などの高台・丘陵地にあるマンションや、傾斜地に建つ物件を検討しているなら外せない資料です。

 

【どんな資料か】
過去と現在の地形図を重ね合わせ、その土地が山を削った「切土(きりど)」なのか、谷に土を埋めた「盛土(もりど)」なのか、いつ頃造成された団地なのかを色分けしたマップです。

 

切土/盛土とは?
一言で表すと「もともとそこにあった固い地面か、後から人が集めてきた柔らかい土か」の違いです。

 

切土
硬い消しゴムをカッターで削って平らにしたような状態。もともとのガチガチに固まった地盤がむき出しになっているため、揺れに強く、崩れにくいのが特徴です。

盛土
傾いたコップのなかに、土を流し込んで平らにしたような状態。人工的に土を盛って固めた場所のため、切土に比べるとどうしても地盤が柔らかく、水分を含みやすい性質があります。

 

大きな地震が来ると、この「盛土」の部分が、もともとの斜面との境目から滑り台のようにズレ落ちたり(滑動崩落)、重みで沈み込んだりする可能性が指摘されており、東日本大震災の際にも仙台市内の丘陵地でこうした地盤の動きが見られました。

 

特に注意すべき理由
「マンションなら頑丈な杭を固い地盤まで打つから大丈夫では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、建物そのものが倒壊したり傾いたりする可能性は低いかもしれませんが、注意したいのは「周辺環境」です。

 

万が一、エントランスのアプローチ、駐車場、周辺道路などが盛土だった場合、建物は無傷でもその周囲だけが沈み込んでしまうことがあります。

 

・敷地内の段差が大きすぎて車を出せない
・地面の中に埋まっていた水道管やガス管が、地盤沈下に引っ張られて破損してしまう
・結果として建物は無傷であるものの、水やガスが使えずに生活が制限されてしまう

 

全ての盛土が危険、切土が安全、ということはありません。しかしこうした状況を防ぐために、検討している敷地や周辺道路が該当していないかを事前に確認しておくことは、住まい購入において大切です。

 

【出典・URL】
仙台市宅地造成履歴等情報マップ(仙台市)

 

 

 

5. 東部エリア・沿岸部を検討するなら「津波避難マップ」

 

宮城野区や若林区の東部、仙台東部道路の周辺などで購入を検討している方は必読の資料です。

 

【どんな資料か】
最大級の津波が発生した際の浸水域の予測に加え、避難場所が具体的に記されたマップです。

 

【チェックポイント】
鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の強固なマンションを検討する場合、上の階へ避難する「垂直避難」ができるため、建物内での安全性は高く保たれるケースが多いです。

一方で、万が一の際、周辺道路が一時的に浸水した場合は「数日間、自宅で救援を待つ(在宅避難)」というシミュレーションをしておくとより安心です。検討しているエリアの近くに「津波避難ビル」として指定されている建物があるか、また周辺道路の浸水深はどれくらいを想定しているかを知ることで、購入後の非常食の備蓄量や、在宅避難のリアルな計画を立てることができます。

 

【出典・URL】
津波避難マップ(津波ハザードマップ)(仙台市)

 

 

 

最後に:自分の足で歩くことも大切

 

仙台市が提供しているこれらの資料は、不動産という大きな買い物をするときに客観的な判断をするための心強い武器となります。

ネットやパンフレットの「駅徒歩〇分!」「充実の周辺環境!」という華やかな言葉だけでなく、納得のいく住まい検討のために、これらの資料でエリアの特徴を確認してみてください。

そして資料で納得できたら、最後はぜひ実際に現地に足を運んでみることをおすすめします。
マップでは土砂災害警戒区域や崖の近くになっていても、現地に行くと「新しい強固なコンクリート擁壁で補強されている」「最新の排水溝が整備されている」など、実際には対策がなされているケースもあるからです。

また晴れた昼間だけでなく、雨の日の水はけの良し悪し、夜間の街灯の明るさや人通りの有無など、非常時や日常の通勤・通学時にそのエリアが本当に心地よく歩けるかを体感できます。

データと実際のすり合わせができると、10年後も20年後も「ここを買ってよかった」と思える、後悔のない住まい選びに繋がるはずです。
 
「自分の検討しているエリアは大丈夫か」「自分の希望を叶えるためにはどんな地域がおすすめか」など、お住まい探しを始める前段階でのご相談も承っております。リノベ不動産では無料の個別勉強会を実施しておりますので、少しでもご興味のある方はぜひお気軽にお声がけください。

 

 

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鈴木璃香(リノベーションコーディネーター)

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