現場日記:O様邸【完結】
こんにちは。
設計の佐々木です。
少し前になってしまいましたが、、、
年末にお引渡しをさせていただきましたリノベーション物件をご紹介します。
お施主様はとても仲良しなご夫婦お二人。
今後の家族計画などもお伺いし、数年後の暮らしを想定した平面計画をご提案しました。
Case88.心地よい光と眺望を楽しむ家
【物件データ】
■所在地:仙台市泉区
■種別:マンション
■専有面積:75.6㎡
■建築年:1991年(築30年)
【BEFORE】
解体工事前の既存の室内。
こちらの住戸は角部屋のため、南・西・北と三面に窓がある広々3LDK。
築30年ですが、室内はすでにリフォームされ、水廻りの設備が新しく入替えてあり、比較的綺麗な状態です。
廊下からトイレ、洗面室やUBに入る際やリビングから和室に入る際は小さな段差がありました。
2020/09~
Ⅰ.解体着工
今回も断熱工事から行うフルリノベーションなので、まずは既存の室内を全て解体します。
床下に隠れていた配管や躯体の天井が少しずつ見えてきました。
天井部には薄いグリーンの既存の断熱箇所も見えています。
無事に解体工事完了。
既存断熱も壁面、天井の折返しまでしっかり吹かれており、状態良好!!
一安心です!
先に書いたように、角部屋&3面採光のため、間仕切壁を全て取っ払った住戸内はとても明るい!!
バルコニー側の前面に建物が無く、窓からの景色が遠くまで抜けて、室内にいても本当に気持ちの良い物件。
お客様がここに決められた最大のポイントは「窓から見える景色」と伺っていたので、
内見されて、即決した気持ちがとても良く分かります!
解体検査の様子。
お施主様にお立会いいただき、解体後の状態を確認します。
現地で再度プラン図面を見ながら、予定のプラン通りの施工が間違いなく出来るか、高さ関係なども含め細かい箇所まで確認していきます。
全てを一から作る新築とは違い、どうしても解体してみて、、、の変更点が発生してしまうこともあるリノベーション。
今回は特段問題や変更もなく、当初から予定していたプランのまま進める事が出来そう。
またまた一安心です。
2020/09
Ⅱ.断熱工事
既存の断熱の上から再度、発泡ウレタンを吹付けました。
今回のような角住戸は両側を部屋に挟まれた中住戸に比べると、外部環境の影響を受けやすいため、
外部に面した3面と梁、天井の折返し部分や窓まわりまでしっかりと充填、施工します。
快適な暮らしには欠かせない重要な工程。
本体工事のための下地作りがここでやっと完成です。
2020/09~
Ⅲ.配管・壁下地・配線工事
水廻りの配管からスタート。
水廻りの位置、そこから共用の竪管への距離や接続位置によって床の高さが確定します。
もともと、既存の室内には所々に段差がありましたが、お施主様より室内の全ての床をフラットにしたいとのご希望もあったため、それをクリア出来る高さに床レベルを設定し、配管に勾配をつけて設置していきます。
工事後には床や壁で覆われて見えなくなるですが、リノベーション工事の要となる部分。
工事完了後でも配管のルートなどが分かるよう、配管位置を図面に記載し、記録として残すようにしています。
配管が終わると、その上に床を組み上げていく作業。
作業中に写真を撮っているにも関わらず、現場が本当に綺麗!
毎日の丁寧な仕事から、大工さんの技量が伺えます。
床が組まれ、間仕切の骨組みが立った中に箱型のユニットバスが設置されました。
今回の現場は間仕切壁の下地をLVL(エルブイエル)という木材を柱に使って骨組みを組み立てていきます。
LVLとは、スライスした単板を積層接着させた木材のことです。
木材でありながら、割れや狂いが少なく強度が高いことが特徴なのだそう。
大工さん、毎日の作業ありがとうございます!!
大工工事も中盤。
少しずつ、部屋らしくなってきました。
ここまでくると、あっという間に天井と壁の骨組みが出来上がっていきます。
天井裏や壁内には電気の配線・換気扇やレンジフード用の配管が通され、工事は着々と進んでいきます。
2020/10
Ⅳ.中間検査
壁の下地組みと配線が完了した時点で中間検査を行いました。
お施主様立会いの元で今回は大工さんにもご参加をいいただき、スイッチやコンセント・棚の高さや下地の位置など、一か所ずつ全て確認しながら変更したい箇所がないかなど最終確認を行います。
固定棚の位置などを微調整し、特段問題もなく検査完了。
お施主様ご夫婦、平日はお仕事でお忙しい中で毎週末、時間を作って現場を見にいくことを楽しみにして下さっているとのこと。
その気持ちが嬉しいなぁと、さらにやる気スイッチの入った私でした。笑
2020/10~
Ⅴ.仕上げ工事(ボード貼り)
ここからは大工工事も終盤戦。
下地の骨組みの上にプラスターボードを貼っていく作業が急ピッチに進められていきます。
まずは天井面から。
キッチンの天井部には間接照明が入る予定。
仕上げに直接見えてくる部分の造作工事も進められていきます。
間接照明部分に関しては器具を取付けたときの光の見え方にこだわりながら、
大工さんたちと綿密に寸法等の打合わせをし、位置や寸法決めをして施工頂いています。
完成が楽しみです!
壁面に並べられた大工さんの仕事道具がいつも見事に綺麗なので、記念に。笑
2020/11
Ⅵ.仕上げ工事(造作)
木工やさんに製作を依頼していた造作部の取付日です。
今回はリビングの一部分に引出し収納付の小上がりを計画しています。
組立て作業をしているところです。
ピッタリ!とても綺麗に納めていただきました!!
こちらはキッチンの天井面。
床のフローリングに合わせて、オーク材の板を貼って仕上げます。
木目が美しい。。。
こちらはキッチンの背面にくる、固定の棚板。
写真ではなかなか伝わりにくいのですが、、、
お施主様の希望でブラケットを見せたくないとのご要望もあり、棚板の裏面にブラケットの厚み分の堀込みを入れて、少し細工させていただいてます。
これまたちょっとした部分ですが、小さなこだわりポイント。
仕上がりをお楽しみに!
2020/11
Ⅶ.仕上げ工事(クロス・器具設置)
ついに、いよいよクロス工事のスタートです。
一気に仕上がりに近づく工程。
まずは壁紙を平滑に貼るための下地作り、パテ処理から。
一気に貼り進めていきます。
完成形が見えてきました。
クロス工事の直後にはキッチンの組立てや洗面台も設置されました。
お施主様にご支給いただいた、照明器具が空間の良いアクセントになっています。
真鍮の素材が素敵すぎてうっとり。
ひそかに映るアメリカンスイッチは、一番最初のお打合せの時から決めて頂いていたもの。
2020/12
Ⅷ.完了検査・完了
お引渡しの前にお施主様にお立会いいただき、キズや汚れが無いか、スイッチや器具類の動作確認などを行いました。
今回のリノベーションのお施主様の一番こだわりポイントのお気に入りのキッチン。
そのキッチン組立後、初めての現地確認ということもあり、お施主様ご夫婦に大変喜んで頂きました!
その場に立会うことが出来、私もテンション上がってしまいました!!
最後に完成写真をすこしだけ。
◇リビング奥よりキッチン
天井の間接照明も綺麗に映え、グラフテクトのキッチンがより引き立つかっこいい空間に仕上がりました。
また、当初のご提案プランをほぼ採用いただいたため、イメージパースにだいぶ近い雰囲気のLDKになりました。
◇リビングの一角の小上がり収納のあるfreeスペース
小上がりに腰かけて、ちょっとした休憩スペースに。
リモートワークスペースとして、書斎代わりに。
数年後はお子さんのキッズスペースとして。
今回のリノベーションのコンセプトは「かわりゆく すまい」
暮らし方と共に変わりゆく、生活スタイルや家族の変化を見据えた空間の使い方のご提案をさせて頂きました。
余白空間を作ることで可変性に対応できるすまいが出来上がりました。
ここからの家族時間を育むおうちになっていくことと思います。
最後に、この現場の施工に携わっていただいた大工さんをはじめとする全ての皆さま、
本当にありがとうございました。
O様、毎回とても楽しくお打合せをさせていただきました。
お施主様ご夫婦のセンスで、これからさらに素敵なおうちが出来あがっていくことと思います。
また、お伺い出来ますことを楽しみにしております。
ありがとうございました!!